事前に財産を贈与するべきか|方法について
相続人に少しでも多くの財産を残してあげたいと考える人は少なくありません。
そのニーズに応える方法として、事前に財産を贈与する「生前贈与」があります。
以下では、事前に財産を贈与するべきか否か、その方法についてご紹介します。
事前に財産を贈与するべきか否か
結論を最初に言ってしまうと、生前贈与は、適切な方法で行えば、相続税対策の有効な手段の一つになりますから、「するべき」と言えるでしょう。
その理由としては、相続税や贈与税の節税効果があることが挙げられます。
まず、相続税は、相続遺産総額が基礎控除額(3、000万円+(600万円×法定相続人の人数))を超えた部分について発生しますが、生前贈与により相続遺産総額が基礎控除額以下になれば、相続税は発生しません。
また、贈与税にも、基礎控除額があります。
1回あたりの節税効果は、相続税と比べれば小さいものの、その効果は累積するため、繰り返し行うことによって大きな節税効果が見込めるといえます。
なお、従来、相続開始「3年以内」の贈与は相続税の対象となっていました。
しかし、2023年度税制改正により、2024年以降の贈与は、相続開始「7年以内」に拡張されましたので、従来よりも早めの贈与を検討すべきである点には注意が必要です。
生前贈与の方法
生前贈与には、大別すると「相続時清算課税制度を利用した生前贈与」と「暦年贈与」があります。
以下の表で比較してみましょう。
相続時清算課税制度を利用した生前贈与 | ・原則60歳以上の直系尊属(父母や祖父母など)から、18歳以上の直系卑属(子や孫など)に贈与する場合に使用できる
・贈与時には、一定額まで贈与税が発生しない
・相続時に贈与を受けた額が相続財産に加算され、相続税が発生する
・税務申告が必要 |
暦年贈与 | ・1月1日〜12月31日までの1年間で1人あたり110万円までの贈与が非課税になる
・110万円以上の贈与にあたっては税務申告が必要 |
この2つを比較すると、非課税枠を利用できるという性質上、暦年贈与の方が節税には有効であると言えるでしょう。
このほかにも、税制上、教育資金等の一括贈与の制度が定められており、大幅な非課税枠の恩恵を受けることができるため、該当する方がいる場合は、検討してみてもいいかもしれません。
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以上のように、生前贈与は、早めに行えば節税効果が見込めるため、「するべき」と言えます。
また、生前贈与は大別して2種類の方法があり、暦年贈与や一括贈与制度を利用することで、節税効果を高めることができます。
生前贈与を含む相続一般に関するお悩みをお持ちの方は、中原和之法律事務所までご相談ください。
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